Love-tuneが歌に込める「言霊」

 2018年1月現在、Love-tuneのオリジナル曲は3つ*1ある。

 2016年9月 舞台「DREAM BOYS」で披露された「CALL」
 2017年9月 舞台「Johnny's You&Me IsLAND」で披露された「烈火」
 2017年10月 初の単独ライブ「Love-tune Live 2017」で披露された「This is Love Song」

 3曲どれもが、Love-tuneの武器【バンド×ダンス】を存分に生かしたパフォーマンスになっている。巧みにバンドとダンスを行き来する「CALL」に、1番2番をバンドとダンスで分ける構成にしている「烈火」「This is Love Song」は、フル尺でないと120%の魅力が発揮できていない!完成とは言えない!と勝手に思っているほど。

 バンドとダンスだけじゃない。センターに誰を置くかで雰囲気をガラリと変えることができ、アクロバット和楽器も取り入れられるLove-tuneは武器、手札をたくさん持っている。そこにいつも驚かされるし、びっくり箱のように何が出てくるかわからない面白さがすごくある。

 私がLove-tuneを見ていてすごいな~と感心してしまうのはそんなパフォーマンスの目新しさもあるけど、オリジナル曲の歌詞の素晴らしさにも特筆すべきところがあると思っていて。曲もめちゃくちゃいい、でも専門知識も語彙力もないので今回そこは置いといて、歌詞についてあれこれ書きたいと思う。


 ジャニーズと言えば、やっぱり「アイドル」。

 アイドルソングと言ったら、個人的には「君と僕が出てきて恋をしたり恋に落ちたりハッピーでキラキラっとした光に満ちたようなもの」が王道かと思う。

 ちょっと何を言っているかわからない時々トンチキで不思議な歌詞はジャニーズっぽい。ジャニーズっぽい曲って、あるよね。不思議と。

 だから、最初「CALL」を聴いたときは本当に驚いた。

 ダダッダッダッダ ダダッダッダッダ……な癖になるイントロは、ギタリストさなぴとベーシスト美勇人くんの背中合わせから始まるパターンが多い。つまりバンド始まり。ロックな激しさを爆発させる中で、英詞を繰り返しながらバンドメンバーは楽器を置き、萩ちゃんが歌いだす。

I'd like to make it 結果でしょ? どうせ
空回るほど 何で? lose control
いつだって make it better!!
そんなんで平気? shut up!!
I don't wanna I don't wanna I don't wanna fuss
この目で全てを確かめたい

Love-tune「CALL」 - あいはめぐる

 この部分を意訳していくと、「なんとかしたい」「結果でしょ?どうせ」「空回るほど、なぜかコントロールを失う」「いつだって良くしようとしてる(=努力してる)」「そんなんで平気?」「うるさい!」「ドタバタ大騒ぎしたくない!」「この目で全てを確かめたい」と、まるで彼らの叫びかのような言葉が並ぶ。

 そして続く、謙ちゃんのソロ。

Yes, I hate it and I'm scared(そうだ、俺は嫌だし、怖い)
流れゆく時の中
埋もれてく様な My life(俺の人生)
まるでホラー
like a walking dead(まるで歩く死人)
Get up(起きろ) Stand up(立て)
生きるのさ

「この歌詞をジャニーズが歌うってすごい、革命的!」と率直に思った。

 クレジットを見ればわかるけれど詞は彼らの作ではない。でもこの歌詞は彼らの経験した葛藤や戦い、集った7人でこれから歩む道への決意が直接込められたんじゃないかと思えるほどLove-tuneにぴたりと重なる歌詞だと思う。

 「CALL」はLove-tuneにとって初めてのオリジナル曲で、オリジナル曲をもらうことすら初めてのメンバーがほとんど(かな?)。そんな中で彼らは「先輩たちの曲にもない曲を!」と求めたそうだ。自分たちの個性、Love-tuneらしさ」を追求しようという強い意志はその歌詞にも色濃く表現されている。

 「CALL」には君も僕も出てこないし恋も始まらない。

 出てくるのは「俺たち」だけ、それも「俺たちの明日を掴め」

 グループを組んでオリジナル曲がもらえるとなっても、その次はいつもらえるかわからない。最初の1曲だけを何年も歌い続けるかもしれないと考えると、本当に「最初の1曲」はものすごく重いものになる。

 初めてのオリジナル曲はそのグループにとっての象徴であり、看板となり柱になる、ものすごく大事なもの。

 常に考えて考えて戦ってきているらぶだからこそ、無意味にこの曲を、この歌詞を選んだわけではないだろうと勝手に思ってしまう。歌うのには勇気がいる歌詞だと思うし。

 私は「CALL」でのパフォーマンスを見て「Love-tuneがやりたいこと」に気づけたというか、勝手に「彼らはグループとしてこういうことがやりたいんだなぁ」と受け取った。それはらぶを応援していく中ですごく大きかった。決意や覚悟を感じたし、純粋にわくわくしたと同時にこの子たちはこれから何を成すんだろう、見ていたら絶対に面白い!と思った。

 

 続く「烈火」で歌われてるのは極々ストレートな、ただひたすらに「燃えろ!!!」である。

 「CALL」とはまた違って直接的な熱量を宿した歌詞。そう感じるのは、「CALL」を未来へ進む「着火」の曲とするなら「烈火」は「燃え盛る炎」のような曲だからだろう。

 パフォーマンスでまず驚かされるのは謙ちゃんの「ハッハッハー!」だけど(笑)、そういえば「CALL」も謙ちゃんの「Oh my god!!」で歌が始まるんだった。切り開いていくのは謙ちゃんなんだなと。そしてそのあと続くのはどちらも、萩ちゃん。

限界なんてない 情熱
臆病な日々に 火をつけろ
運命を自分で 変えるのさ
動き出せ 今すぐ
We can be!

 Love-tune「烈火」 - あいはめぐる

 このたった4行。たった4行に。

 Love-tuneとしてどうありたいのか、それが込められているかのよう。

 限界なんてないと。運命を自分で、自分たちで変えるんだと。

 そのあと続くのが「We can be!」なのがすごく心強い。俺達ならやれる!できる!と高らかに叫ぶLove-tuneめちゃくちゃカッコいいよ。

 そして、

冷めた時代に 奏でるのさ

 謙ちゃんがこう歌うように、世間では「熱さ」を体現するスタイルに「熱いのはダサい、熱血なんて流行らない」と揶揄することがある。まして彼らはジャニーズだから。彼ら自身をまっすぐ見ようとしない人々から「どうせジャニーズ」「どうせアイドル」と冷ややかに言われることもあるかもしれない。元々アイドルには「そんなにガツガツしてないよ」「清廉潔白だよ」って涼しげな顔をしている人たちの方が多かったし、いつも笑顔で神聖で、そう振る舞うことが良しとされていたようにも思うし。

 Love-tuneは、「アイドルだから努力は見せない」との美学を口にしながらも、物事に全力で挑んでいく熱い姿を見せてくれる。

 目に見えるような覚悟の表情であったり、言葉で示す負けん気であったり。どれだけの想いでそのステージに挑んだのか、その想いの強さをしっかり伝えてくれるのもまたすごいところ。会議を重ねて議論、考え抜いて試行錯誤して作り上げるステージにも、彼らの内に秘めた熱を感じる。

 私には、そういうLove-tuneがすごく人間的な人達の集まりに見えていて。ステージの上では本当にかっこいいけど、当然ながら彼らは生身の人間。必死に努力して周りに「負けない」と強く思いながらステージに立ってるんだなということがすごく伝わってくる。

We're gonna make us fire!
 =俺達は(自分達に)火を付ける!

この街で 生きていくために リミッターを外せ

Gonna make us fire! 最高まで 熱くなれ
 =燃えていこうぜ!

太陽より燃えていくぜ!

Now burn it up! Go!
 =さぁ燃え上がれ! 行くぞ!

 このサビに、熱いLove-tuneがいっぱい詰まってる気がした。

 ほんとに、これを自分たちの言葉のように放てるのはすごいと思う。あんなキリッと覚悟を決めた表情で歌うんだから、7人にもそれ相応の気持ちがあるはず。あってほしいという個人的な願望だけど!

 俺達は自分達に火を付ける、という表現に少し思うのは、時限爆弾的なモノと言うのかな。尻に火が付くと言うか。追い詰められているような意味合いも含まれてるのかなと思って。広義に解釈して「燃える=爆発」と考えれば、後がない時限爆弾のようにも捉えられるし、力を爆発させるというストレートな意味にも受け取れる。面白い。

 あと、

ごまかして ビビってんじゃねえ!
悔しいのに 笑ってんじゃねえ!

 これとかもう特に、胸に刺さった。少クラでカットされたから前の記事には書いてないけど、フルの歌詞には「正しいのに黙ってんじゃねえ!」「つまづいてヒヨってんじゃねえ!」というのも、ある。

 人が面と向かっては言いにくいこともこうして歌で伝えられるのは、「歌」の優れた点だけど、アイドルがこんな曲をそう簡単に歌えないよ。歌わせてもらえない。少なくともジャニーズでだって誰にでも歌える曲ではないと思う。

 この覚悟を背負えるのか、この曲を背負えるのか、って疑問に思うもん。たとえ数年後に生まれるだろう後輩にだって、「かっこいいから」と思っても簡単には歌えないと思う。わからないけど。笑

 

 そして最後!!!

 キラッキラの素敵な「This is Love Song」

 この曲は、Love-tuneのオリジナル曲としては初めてのラブソング。

 Zepp DiverCityで謙ちゃんの口から「この日のために新曲を作ってもらいました。ファンのみんな、周りの人たちへ感謝の気持ちを伝える曲です」と語られたときには本当にびっくりしたなぁ。

 「CALL」や「烈火」は「自分たちを体現したような曲」で、それも伝えよう!!魅せよう!!という気概に溢れているんだけど、「This is Love Song」は「自分たちの気持ちを伝える曲」でありつつも、ファンが「こっちのセリフ!」と思えるくらい共感性が高いのがポイント!!!!

My Love 君がくれた奇跡
Your Love 僕が探していた夢
いま伝えたい  君に会えてよかった

Love-tune「This is Love Song」 - あいはめぐる

 引用元の記事では、この部分を 「My」がメンバー、「Your」がファンとすれば、「僕らの愛 は 君がくれた奇跡」「みんなの愛 は 僕が探していた夢」となるかなと勝手に考えたりもした。

 好きなんだよ、大好きだよ、好きになっちゃう、と告白パートが(フルだと)メンバー分ちゃんとあるのが本当に素晴らしい。

 あとやっぱりこの曲で大絶賛したいのはこの部分。

「増えていく思い出 忘れないように
 半分は持っててよ」
君のそんなところが
好きになっちゃう

 時々、タレント自ら「ファンの人の方が自分の情報に詳しい」と言うことがある。未来や過去のスケジュールだったり、発言だったりライブだったり。その人の活動している期間が長くなればなるほど、そういう情報や思い出は増えていくもので、ファンの人たちは本当にそれをよく覚えていてくれていると思う。

 それを「思い出の共有」「思い出を半分持ってくれている」と感じてくれているんだとすれば、本当に本当に素敵だなぁって。この先の未来もずっと一緒にいることを当たり前のように「半分は持っててよ」なんて歌ってくれてるの最高すぎて泣いちゃう……。

 「半分だけ持っててくれ」「半分持ってて」じゃなくて「半分は持っててよ」って言い方めちゃくちゃ絶妙じゃない??? 基本は自分が持つけど少し分けてあげるみたいなニュアンスかつ、冗談っぽい軽さもあって絶妙すぎない?? 好きになっちゃうのわかるわ、、、好きになっちゃってるもんだって……。

 それから、

ふとハモるたび ちょっとハウるたび
I think you This is Love Song

 ここもめちゃくちゃ好き。

 ここ、ライブ中のことを歌っているのかなと思っていて。メンバーが歌ったり客席が歌ったりしてハモる瞬間があるし(お互いキーが合わなくてオクターブ上げたりするのもハモると考えて!)、どっちもが音や声出してるから何言ってるかよくわかんなくなっちゃうのをハウってると捉えたら、「ライブ中ふとしたときにも、みんなのことを考えるよ」って意味に思えてこない????

 そんで「This is Love Song」の「Love」は、謙ちゃんが言う「みんなの愛と俺たちの音で!」から拾うと「Love」を象徴するのはファンのことなんだよね。この曲はファンに感謝を伝える曲だから、「ライブ中ふとしたときにも、みんなのことを考えるよ。これはみんなの歌」と繋げて考えることもできる気がして。だいぶ飛躍してまいりましたが(笑)、ほんとすごくメッセージ性が高くて色々なことを考えられる。

 きっと色んな想いをたくさんたくさん込めてくれているんだろうなぁって。

 ほぼ妄想だけど、勝手に考えて勝手に感動しています。

 

 この流れでいきなりまとめに入るけど、本当にどの曲の歌詞もメッセージ性が高くてびっくりする!

 訴えかけるような強さもあれば、溢れるような愛もある。そんな歌詞を与えられて、さも自分たちの言葉かのように歌い、伝えられるLove-tuneに感動する。

 表現力の高さもそうだし、言葉を発信することの重要さを心得てるからこそここまでできるんだろうなぁ。。

 「CALL」と「烈火」は特に「曲を背負う」と言えるくらい強いパワーを持っている曲だと思う。ジャニーズJr.のオリジナル曲でここまで穿ったものを表現できる、させてもらえることもあまり例がないことのような気がして、決して王道アイドル曲ではないけども、こんな曲たちを背負わせてもらえるLove-tuneの力というものを重く感じた。

 

 ちなみに他のグループのオリジナル曲をそれほど繰り返し聴くわけではないので、他Gとの傾向の違いまで分析はできません。なんて中途半端な記事(笑)。

 これだけ威勢よく書いておきながら、Love-tuneが特別すごいとかここがどこよりも優れているという話ではなく、私はらぶのこういうところが好きで推せると思ってるよっていうだけのことです。みんなそれぞれ自分達の色をしっかり持って、自分達のオリジナル曲をすごく大切にしているもんね。

 それこそ先輩たちの曲は本当に数えきれないほどあって、ライブで披露する曲の選択肢も同じ数だけある。

 だからこそオリジナル曲は特別なものであってほしくて、彼らの意志を物語るような、彼らにとって共感性の高いものであってほしい、これは私のわがままのような押しつけのような気持ちだけど。

 もちろん、Love-tuneの場合はもっとアイドルらしい曲をやってほしいとか、バンドばかりになるのを快く思ってないとか、そういう考えを持っているファンの方もいるんだろうなとは勝手に想像している。

 個人の良し悪しは別として、本当に、「悔しいのに笑ってんじゃねぇ!」なんて歌えるジャニーズはそんなにいないよ。

「誰にでも歌える歌詞」なんて、意味ないじゃん?
「俺らにしか歌えない歌」ってかっこいいじゃん?

 そういう偏見と思い込み。笑

 だから好きだと、Love-tuneのそこが好きだと私が思えるところ。

 泥臭く暑苦しくたっていい。それを好きでいてくれる人は絶対にいるし、ジャニーズにもこんな奴らがいるんだって振り返ってくれる人も、絶対にいるはず。

 Love-tuneLove-tuneの道を。てっぺん獲ろう。

 

 2018年3月25日。

 ジャニーズJr.祭りの中で、横浜アリーナ単独公演をやらせてもらえることになった。

 「Love-tune Live 2018」ではないけれど、横アリを自分達だけでやれることに変わりはない。本当に7人だけなのか、横アリだし!!!まだわからないけど。

 「CALL」で花道を走り出すLove-tuneが見られるだろうか。

 本当に本当に楽しみだし、この大きなチャンスをモノにして、必ず「Love-tune Live 2018」にもその先にも繋げていきましょう。

 Love-tune。絶対にこの7人で、彼らの後に続こうね!

 楽しみだ~~~~~~~~!!!

 

 

 

 

 

*1:ただし、「make it」は完全オリジナルかつ歌詞の詳細が不明なため除く。すみません。