涙の理由

 トラジャの湾岸ダイジェストを見ていて、気付いたら泣いていた。

 おそらくTABOO。それとShelter。

 

 私は去年の4月から美勇人くんを担当と決めたけど、トラジャ担ではなかった。

 トラジャ担になれなかった。

 パーソナルな部分での彼らをまだ全然知ることができていない頃に、美勇人くんはトラジャを脱退した。

 いつかこんな日が、
 来るかもしれなかった、けど私には早すぎた。

 どうすればいいのかわからなかった。

 でも、

 少し泣いて、

 結局そのまま美勇人くんを好きでいようと思ったし、

 そのままLove-tuneの担当でいよう、どうにもできないし

 それでいいか、とも思って、今に至る。

 

 私はTravis Japanの単独公演に行ったことがない。

 Travis Japanだけが踊るステージで、森田美勇人を見ることができなかった。

 

 それはずっと私の中で「痛み」として残っていくと思う。

 その痛みがあるのは、私が美勇人くんを好きでいる証拠みたいなもので、
 美勇人くんを好きでいるかぎり、勝手に持っていたいと願うもの。

 自分で書いててよくわからない。

 大好きな「Crazy about you」を聞くともう、ずっと、グサグサと痛む。

 でも聞く。ドMかよ。

 

 7人が6人に、6人が5人に、そして7人に。

 

 トラジャに加入するなら松松しかいないと思った。

 少クラでちょこちょこっとしか、踊る松松を見たことながかったけど、ケンティのバックについてBlack Cinderellaを踊った松松を見たとき、「シンメ」の強さ、これだと思えるシンメに出会った、そう思った。

 湾岸のレポを読んで、これから踊る松松をたくさん見られるんだと嬉しかった。

「トラジャのダンスは本当に本当にすごいから、すぐにほかのメンバーと同じレベルにまでは持っていけないだろうな」

 数ヵ月であのシンクロダンスを完璧に仕上げられたら、それは間違いなくものすっっっっごい努力の賜物だ。

 そうだとしても、それはそれで「誰にでもできる」と思われそうで嫌だった。

 トラジャのダンスはそう簡単に真似できない。それでこそTravis Japanだと私は思うから。

 「まだ少しズレがあった」のは、これまで積み重ねてきたトラジャのダンスがそれだけ凄いものだということ。

 少しのズレも、新生トラジャにある伸びしろ。たのしみだ。

 

 そんな風に思っていた翌日の朝公演に

 美勇人くんが湾岸を観に来たと知って、それも少し泣いたぁ。

 

 それもなんで泣いたのかよくわからない。

 美勇人くんがどういう気持ちでそこにいたか知ることもできないのに。

 勝手に推測、憶測するのも失礼なことだし。

 でもなぜか、泣けた。

 

 私はトラジャの湾岸ダイジェストを観てどうして泣いたんだろう。

 わくわくして観ていたのに、げんげんカッコいいな……と思いながら見ていたのに、

 TABOOが流れたら、涙がこぼれそうになって

 Shelterでぼろぼろ泣いた。

 

 グループやメンバーがどうとか、

 いたはずのポジション、

 誰と踊るかとか、

 たぶん、そういうことじゃない。

 

 なんとなく、思い至ったのは、

 美勇人くんがこの振付を踊ることはもうないんだろうなぁ。

 

 ということ。

 

 それが、ひどく寂しかった。

 寂しい気がした。

 

 本当にもう二度と踊らないのかは、わからないけど。

 そう感じることがどうして寂しいんだろう。

 

 このさみしさは、いったいなんなのだろう?

 

 

 

 なんか色々、書きたい記事もあるのだけど、身も蓋もない漠然とした話で申し訳ない。

 やっぱり私は美勇人くんのダンスがすごく好きだから、いっぱい踊って見せてほしいし、それを見たいんだろうと思う。

 

「あの曲を踊る美勇人くんにはもう会えない」

 そのことを寂しがるのは、変なのかなあ。

 ちゃんと生で見たことがない曲だったから、余計さみしいのかなぁ。

 その日の、その公演の、その瞬間の美勇人くんだって、いつも違う美勇人くんなのにね。

 自分でも自分の気持ちはよくわからない。

 

 美勇人くんが今日もステージで踊っていて、笑っていて、

 そこに立っていてくれるなら、この先

 会える予定もなーんにもないけど 嬉しいんだけどね。

 

 たぶん気持ちが言葉を追い越して涙が出たんだろう。

 その涙の理由なんてわかんなくても、

 美勇人くんが好きで幸せだし、

 美勇人くんが頑張ってるから、私も明日頑張ろうと思える。

 

 ほんと、アイドルって不思議な存在だなぁ。