「俺たちはまともじゃダメなんだ」

 謙ちゃんが語ったというその台詞をレポで見たとき、私はひとり「Love-tuneらしいな~~~」と震えていた。

 該当の台詞あたりの概要としては*1こういうもの。 

「まともか?」
「まともじゃねぇよ」
「それでいい、まともじゃダメなんだ。俺にとって初めてのグループ……他の誰とも違う道を進むんだ。でなきゃ俺達が集まった意味がない! 俺たちはバンドだけじゃない、ダンスだけじゃない! 俺たちはまともじゃダメなんだよ!!」

 これらの台詞がある種の決意表明に感じたのと同時に、謙ちゃんがEXシアターで話した「Love-tuneは普通のバンドマンじゃできない、普通のアイドルじゃできないところまで行きたいと思う。皆さんとなら出来る、叶うと確信しています。これからもついてきてください*2」という言葉を思い出していた。

 

 まず、劇中で表現されている「まとも」とは何だろうねというところ。辞書には、

ま‐と‐も【正=面/▽真▽面】
 《「真(ま)つ面(も)」の意》

1、まっすぐに向かい合うこと。正しく向かい合うこと。また、そのさま。真正面。「―に風を受ける」「―に相手の顔を見る」
2、策略や駆け引きをしないこと。また、そのさま。「―に戦ってはとても勝てない」
3、まじめなこと。正当であること。また、そのさま。「―な人間になりたい」「これは―な金だ」 

正面(ショウメン)とは - コトバンク

 とある。そこから勝手な解釈ではあるけど、劇中で語られる「まともであること」を、いわゆる「正統派・王道であること」という意味に受け取った……ことによる諸々の雑感がこの記事である。

 

 私は、ジャニーズのエンターテイメント性を色濃く引き継いでるのはA.B.C-Z
 ザ・ジャニーズの派手さはKAT-TUNとキスマイ、
 王道アイドル路線はJUMPとSexy Zoneと思っている*3

 そして、「生」のバンドにこだわり踊りもやる、そういう見せ方で少し違う道を行ってるのはエイトと感じている。確かにエイトには「ジャニーズが好きなのではなく、エイトが好き」と言うファンが一定数いるのも確かだ。

 前述した、Love-tuneが目指す「普通のバンドマンじゃできない、普通のアイドルじゃできないところ」というのも、今まで先輩たちが歩んできた道、路線とは違うものを築き上げていきたい、そんな意思表明。

 どのグループとも似てないグループになる、それは「正統派、王道の路線ではなく、これまでにないことをやろうとしている」わけで、それがきっと「まともじゃない」という言葉に繋がっていくんだと思う。

 そしてそれは、「革新的なグループであれ」と言い換えることもできる。

 劇中では「でなきゃ俺達が集まった意味がない」とも言われた。 この台詞が与えられた台詞なんだとしたら、それこそLove-tuneの7人は革新的なことをやるために集められた」ということになる。結構ぶっとんだけど(笑)、だとしたら、本当に凄いことを任されている、担っていることにならないか?

 ぶっとんでるのはわかった上で、でもそう考えでもしないとジャニーズJr.のグループがZeppで単独ライブをやるって奇跡みたいなこと信じられる?? 本当にすごいこと。もう革新的な活動は始まってるんだ。

 

 たとえば今、Love-tuneってどんなグループ?と聞かれたとして、私は「バンド×ダンスを武器に、今までのジャニーズにないパフォーマンスをするグループ。とりあえず初めてのオリジナル曲『CALL』を見てもらえたら、なんとなく意味がわかると思う。」……なんて答え方をするだろう。

 個人仕事の経験や実績があること、ダンスを揃えないスタイルであること、結成時は楽器ができるメンバーとそうでないメンバーがいたこと、7人として結成された経緯が不明瞭なことから、「寄せ集めの7人」と言われることもあった。けれど私はそれをネガティブな意味に捉えることなく、RPGのキャラクターみたいでしょう、何が出てくるかわからないからこそ面白いでしょう、と胸を張って応援してきた。

 RPGのキャラクターって言い出したのも謙ちゃんかな? RPGのキャラって老若男女問わず、職業も違えば武器や属性も違う。もちろん個性も経験もバラバラだから絆を深めていくストーリーがより面白くなるし、最初は全く仲良くなかった(むしろ敵だったりする)個性豊かなキャラクターたちが仲間になり家族のようにまとまっていくから最後ゲームをクリアしたときの感動って物凄いわけで*4

 つくづくLove-tuneってこれだよなと思う。色んな経験を積んでいて、個性豊かで、メンバーそれぞれに必殺技があって、ひとりでも立ち向かえるけれど7人が集まることでより強大なパワーを発揮できるグループ。日経エンタさんが付けてくれた「1人でも戦える7人が集結」は本当に本当に言い得て妙!! 外部でそう言ってくださる媒体があるのはすごく嬉しかった。 

 今回の舞台、Love-tuneの芝居部分はさなぴーが中心になって演出してくれたと。らぶが素敵なのは、そうやってそれぞれが得意な分野を全員で分けようとするところだ。

 さなぴの演技、萩ちゃんの音楽、美勇人くんのダンスが特にわかりやすいんだけど、「これは彼が得意だから任せよう」じゃなくて、「これは彼が得意だから教えてもらおう」ってスタンス。顕嵐ちゃんがミュージカルに出ることが決まってさなぴに相談したように。萩ちゃんが怜央にキーボードを教えたり音楽面を支えたり、美勇人くんが怜央にダンスを教えたりするように。他のメンバーの強みを吸収しよう、そこから学ぼうという姿勢が全体の能力を底上げしていると思う。

 「彼は彼だから、自分は自分だから」で終わっていたら、本当にバラバラなメンバーが集まっただけになっちゃう。でも、Love-tuneは個人仕事で得た経験を他のメンバーにも渡すことができる。それはもちろん技術だけでなく、いい刺激としてもだ。らぶの基本方針というか、結成時に話していたという「個人活動で土台を作って、グループ活動に活かす」って言葉の意味がようやく深く理解できて、これこそが「グループに還元する」ってことなんだと改めて気づかされた。

 今の関東ジャニーズJr.はグループ戦国時代。他と同じことをやって上を目指せるなんてことはきっとありえない。CALLでも「誰かと同じスピードじゃ 追いつけそうもない My dream」と歌っていることだしね。顕嵐ちゃんがステナビで語った「みんなお手手繋いでゴールは出来ない」という言葉もある。それぞれのグループが持つ武器を伸ばして、その上でどう見せるかという部分にまでこだわらないといけない。

 Love-tuneはずっと「Love-tuneらしさ」を大切にしてきて、自分たちになら何ができるのかを追及してとことんディスカッションしている。だから改めて「俺たちはまともじゃダメだ」と言われても「そうだよね」と受け取ることができたし、「それでこそLove-tuneだな! 新しい時代を作ろう!」と胸が熱くなった。

 

 「まともじゃない」を私はそれほどセンセーショナルな台詞とは思わなかったわけだけど、あまり好意的に受け取らない人もいるらしい。私はCALLを初めて観た頃から「Love-tuneは他と違う」と、もちろん先輩グループも含めて思っていたけど、やっぱり「まとも」でいてほしい人たちもいるんだなあと改めて感じた。

 そりゃね、自担がいるから必然的に応援しているけど、グループとしては好きじゃないってひとも一定数いるだろうし。やっぱり王道ジャニーズが好きって人もいると思う。みんながみんな「まともじゃダメなんだ! なぁみんな!」と聞かれて「そうだーーーー!」と言えないってことくらいは私もわかっている。

 それでも彼らは、彼らの進もうとする道をどんどん進んでいくと思うんだ。

 メンバーたちは与えられるチャンスも「みんなのおかげ」だと言って、私たちがいることに気付いてくれている。行きたいと願う場所にも、自分たちだけでは辿り着けないんだと彼らは知っている。それってすごく素敵なこと。

 いつだって新しいことをするためには挑戦が不可欠で、これからLove-tuneが進む道にはきっと批判は付きまとう。けど、今までにないことをする人はいつだってそうだ。何がしたいのかわからないとか、どっちつかずとか、言われ続けるんだろうと思う。

 私はらぶのそこが好きで、面白くて楽しみで、これからの未来にわくわくしている。何を見せてくれるのかわからないからこそ、信じてついていきたいと思っている。

 

 Love-tuneはこれから、先駆者、革新者になるんだ。

 ジャニーズという伝統の中で、また違う道を築き上げていく。

 そういう未来に連れて行ってくれるんだ。

 

 

 ………私なんて「新しい時代に足跡つける、俺たちがUVERworld! よろしくどうぞ!」って毎回ライブ後に叫ぶバンドを10年以上応援してるんだから、「まともじゃダメだ」と言えるグループまじで好きしかないよ。UVERとらぶ、似て非なるもの、でもそこにある「前に進もう、もっとでっかくなろう、夢を叶えよう」って情熱は同じなんだ。

 ほんっっとにただただレポを読み漁っただけでこれだけ考えさせてくれるLove-tune、最高。なんとも燃費のいい茶の間オタである。

 

 

 

 

 

*1:これからの公演期間中に変わっていく可能性もある

*2:ニュアンス

*3:深く知らないグループ、円盤を含めライブを見たことがないグループは入れてない

*4:ちなみに私はテイルズシリーズが好きです。今となっては「昔の」だけど。。。